ソートする系の貪欲証明 part.1
Minimum(Maximum) Scalar Product
与えられた つの実ベクトル に対して適当な を選び、 を最小・最大化する問題。解法は、最小の場合は をそれぞれ昇順、降順に、最大の場合は をそれぞれ昇順にソートするだけである。
蟻本に証明が載っているが、ちょっとだけ飛躍を感じたので補足になればと思う。
最初に最大化問題を考える。
簡単のため をそれぞれ昇順にソートしておく(すなわち、 となるよう並び替える)。
また、 は恒等置換とする。
まず、以下の補題はすぐにわかるだろう。
補題 I
のとき、
【証明】
さて、 かつ となる が存在する間、 回目には に と の交換 を掛けて、 回の交換の後 かつ となる が存在しなくなったとする。
このとき、 が満たされている (すなわち、 は昇順にソートされている)。
ここで、補題 Iより、 であるから、任意の に対して が言え、すなわち が昇順のとき が最大になることが言える。
最小の場合も同様にして、 を昇順、 を降順にすれば良いことがわかる。